
減圧症などダイビングが原因で起こる障害のことを、総じて潜水障害と呼びますが、インストラクターなどを除いたダイバーの約25%が何らかの潜水障害にかかった経験があるという調査報告もでているようです。主な障害として、耳、副鼻腔、歯の障害、減圧症が挙げられます。楽しいダイビングの後に、このような障害がでないようにするためにも正しい知識を持ち、無理のないダイビングをすることが大切です。ここでは、特に障害の多い減圧症についてご紹介します。
減圧症とは
通常のダイビングでは、水中での呼吸を確保するため、圧縮された空気が入っている空気ボンベ(誤って酸素ボンベと呼ばれることが多い)が使用され、ダイビング中はこの空気(酸素と窒素)を吸って呼吸をしています。
水中での呼吸の際に、圧縮空気に含まれる窒素を酸素と一緒に吸いこんでおり、この窒素が体内に溶け込んでいきます。
気体は圧力が高くなるほど液体にたくさん溶け込む性質を持っているので、潜水深度が深くなるほど水圧が高くなるため、より多くの窒素が体内に溶け込んでしまいます。
体内に溶け込んだ窒素は、浮上するにつれ、少しずつ排出されていきますが、浮上速度が速いと体内にたまった窒素が十分に排出されず、体内に残った窒素が圧力が下がるにつれ気泡化し、減圧症を引き起してしまいます。
減圧症のほかにも、致死率の高い潜水病として挙げられるのが「エアエンボリズム」で、浮上に伴い水圧がさがっていく状態で息を止めてしまうと、肺が膨張し、肺から空気がもれ、漏れた空気が血管を詰まらせてしまい、脳障害や麻痺などの重い障害を発症させてしまいます。
正しい知識を身につけ、無理のない安全なダイビングができるようにしましょう。
減圧症のリスクを高める要因
<ダイビングをする前の要因>
飲酒、肥満、年齢、疲労など血液の循環が悪い状態でダイビングをすると、体内に溜まった窒素が排出されにくく、減圧症の可能性を高めてしまいます。
<ダイビング中での要因>
急浮上をしたり、ダイブコンピュータの限界を超える潜水をしてしまうと、体内に溜まった窒素が十分に排出されず、血液のながれをブロックしてしまい減圧症の可能性を高めてしまいます。
減圧症の症状と発症時間
減圧症の主な症状として、手足のしびれ、皮膚のヒリヒリ感、関節痛、頭痛、脱力感、疲労感、吐き気などが挙げられます。
減圧症と思われる症状が発症する期間は人によって異なりますが、ダイビング後1時間以内に発症することが多いと言われています。
ただ、48時間以内に発症したケースもあるので、一般的に目安としてはダイビング後2日以内と考えられています。
減圧症の予防方法(ダイビング前)
【ダイビング前の予防】
①無理のない潜水計画をしっかり立てる
ダイビング前にダイブコンピュータを使って、最大水深と潜水時間を確認し、ぎりぎりで予定を立てるのではなく、余裕のある無理のない潜水計画を立てましょう。
②血液の循環が悪くなるような行為をさける
・ダイビング前の飲酒、喫煙は避ける
・水分をしっかりとる
・体調管理をしっかり行う
体調が思わしくない場合は、無理をせずダイビングを中止するか、無理のない余裕のあるダイビングを行いましょう。
減圧症の予防方法(ダイビング中)
①ダイビング中は過激な運動を避ける
過激な運動をすると、血流が増して、体内に取り込まれる窒素量が多くなるので減圧症の危険性が高くなってしまいます。
②急浮上は絶対にしない
急浮上すると体内に溜まった窒素が十分に排出されず、体内に窒素が残ってしまい減圧症を引き起こしてしまいます。
浮上速度の目安は、毎分10m以内が基本で、ダイブコンピュータも潜行・浮上速度を毎分10mで演算するようになっています。
ダイブコンピュータのアラームがなった場合は、浮上速度を落とすか、その水深で待機し、アラームが止んだら、少しずつ浮上しましょう。
③ダイビング終了前に、3分以上の安全停止を行う
ダイビング終了前に、水深5m以内で3分以上の安全停止を行い、体内の窒素をしっかり排出しましょう。
減圧症の予防方法(ダイビング終了後)
ダイビング後、すぐに飛行機に乗って上空に上がると、気圧が下がるので、体内に残った窒素の気泡化が進んでしまい、減圧症を引き起こしてしまいます。
ダイビング後は18時間以上あけてから、飛行機に乗る
ことが基本となっています。
また、車での高所移動も同様の危険性があるので注意が必要です。
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